防音性を重視した賃貸物件選びに関するご相談を多く目にします。
特に以下のような疑問を持たれる方が多いようです。
- 防音性能が低い物件に防音室を設置する方法は有効か?
- 鉄筋コンクリート造の賃貸物件で防音性能を確保できるのか?
- 「大きな声で会話する場合」、隣室への音漏れはどの程度か?
今回はこれらの疑問に答え、防音性能に関する基礎知識や具体的な対策をご紹介します。
防音性能を数値で理解する:デシベル(dB)の基礎
まず、音の大きさを示すデシベル(dB)の指標を簡単に解説します。
以下は、一般的な日常音の参考値です:
- 普通の会話:約60dB
- 大きな声での会話:約70dB
- 叫び声:80dB以上
《 引用:深谷市_「騒音の大きさの目安」から抜粋 》
音を遮断する性能は、建物の構造や壁の素材によって異なります。
例えば、鉄筋コンクリート(RC)造の賃貸物件の場合、遮音性能が次のように期待されます。
鉄筋コンクリート造の防音性能
鉄筋コンクリート造の壁(厚み150~200mm)は、遮音性能が約50~60dBとされています。
これは、例えば以下のような遮音効果を意味します:
- 大きな声(70dB)での会話の場合:隣室に届く音は約10~20dB
(「ささやき声」や「非常に静かな環境」に相当する音量)
ただし、物件の防音性能は壁だけでなく、窓、ドア、床などの要素によっても大きく左右されます。
音の周波数(低音と高音)も、音の感じ方や伝わり方に影響を与えます。
防音室を設置する場合のポイント
防音室(例:YAMAHA製)は、自室で発生する音を大幅に遮断するための有効な選択肢です。
しかし、賃貸物件での設置には次のような注意が必要です:
- 大家さんの許可が必要
防音室は重量があり、床や建物構造への影響を考慮する必要があります。
賃貸契約条件を事前に確認してください。 - 設置・撤去のコスト
購入費用だけでなく、設置・撤去費用も発生するため、長期的なコストを検討する必要があります。
どちらを選ぶべきか?:状況に応じたおすすめ
楽器演奏や大音量の活動が目的の場合
➡ 防音室の設置を検討
完全な防音対策が必要な場合、防音室は有効な手段です。
ただし、設置にあたっての許可取得と予算の確認が必須です。
日常的な会話や軽い音量の確保が目的の場合
➡ 鉄筋コンクリート造の物件を選択
RC造の遮音性能であれば、日常的な会話程度の音漏れはほぼ防げます。
また、防音カーテンや床マットを使った補助対策も有効です。
最後に
「大きな声での会話」が発生する場面を想定する場合、鉄筋コンクリート造の物件では、音漏れが最小限に抑えられることが期待されます。
ただし、窓やドアなどの開口部や低周波音には注意が必要です。
防音対策は、目的や生活スタイルに合わせて選ぶことが重要です。
物件選びの際には、モデルルームで実際の音の伝わり方を体感することもおすすめします。
理想の住環境を実現するための一助となれば幸いです。